人は“楽しい”と感じているときほど、学びが深まりやすい。
これは近年の学習研究でも繰り返し指摘されていることです。
今日は、「楽しい学び」をどうつくるか、というお話をしましょう。
私は小中高校生向けの学習プログラムでも、企業向けの研修でも、楽しいことがとても大事だと思っています。
ありがたいことに、「楽しかった」という声をいただくことが多いのですが、それをどう実現しているのか。・・・なんて言うとエラそうですが、実は特別なテクニックがあるわけではありません。
私がベースにしているのは、ジョン・デューイが示した「人が本来持っている4つの欲求」(人には知りたい・作りたい・表現したい・コミュニケーションしたい、という4つの本質的な欲求が備わっている)という考え方です。
少しアカデミックに言えば、これは「学習意欲を駆動する内発的動機づけの基盤」です。
人は、自分の中の「やってみたい」が動いたときに、自然と楽しさを感じ、そのプロセスの中で理解や定着が深まります。
とてもシンプルな話で、授業や研修を設計する際に「この4つの欲求を満たす設計になっているか?」と問い直すのです。
たとえば企業研修であれば、こんな感じです。
・最初に説明をするのではなく、「現場で今一番困っていることは何ですか?」と問いを投げる(知りたい)
・そこからグループで解決策を考え、形にしてみる(作りたい)
・それを言葉にして発表する(表現したい)
・さらに意見交換をする(コミュニケーションしたい)
こんな風にすると、少し距離のあった参加者同士がいつの間にか前のめりに話し始め、学びのエネルギーに満ちた場になって来ます。
「やらされる」が「ついやってしまう」に変わっていく。そういう変化の瞬間は、何度見てもいいものです。
学校の授業も同じです。
導入の問いを少し変えたり、対話の時間を少し増やしたりするだけで、子どもたちの目の輝きが変わる。その瞬間に立ち会えるのは、先生という仕事の醍醐味ではないでしょうか。
もちろん、現場はそんなに簡単ではありませんが・・・(苦笑)
企業研修は制約も多いですし、学校の授業も時間との戦いです。
ただ、それでもこの4つの視点を意識して一つでも組み込むことで、手応えは確実に変わると思います。
「楽しい学びの場」というのは、単なる雰囲気や偶然にできるものではありません。
型に従って設計することが可能です。
先生方も人事・研修担当の皆さんも、日々の実践の中でこの4つの視点を少しだけ意識してみてください。
きっと、学びの場が今より少しだけ、生き生きとして見えると思いますよ!(釈迦に説法だったらごめんなさい)
(文:大原)