先日、哲学者・教育学者の苫野一徳先生のVoicyでとても興味深いお話を聴きました。
100%受け売りですが、ぜひシェアさせてください。笑
私なりの言い換えもしましたので、引用元の一徳先生のお話をお聴きになりたい方はこちらでどうぞ。
マシュマロテストという実験をご存じですか?
3~5歳位の子どもたちにマシュマロを与え、「このマシュマロをすぐに食べてもいいけど、15分間食べずに待っていたらもう一つあげるよ」と言って部屋を出て、子どもがどれくらい我慢できるかを観察する実験です。これで“自制心”がどれくらいあるかをはかろう、というわけです。
で、衝撃的だったのが追跡調査の結果。
「15分間待てた子どもたちは、大人になっても学業成績が優秀で社会への適応力に優れていた」
この報告によって、子どものときの自制心がその後の人生の成功につながるという話が広く世界中に知れ渡ることになります。
この結果は教育にも多大な影響を与え、「自制心はもともとその子がもって生まれたものであるが、教育によって一定の開発はできるのではないか?」など様々な議論がされたそうです。
そして、やがては「子どもの頃から自制心を養っておくことがその子の人生の成功につながる」という認識が当たり前になっていきます。
ところが実は、この実験結果の捉え方は前提から間違っているらしいのです。
ある施設でボランティアをしていたセレストキッドという女性の科学者がこれを知って「あれっ?」と思ったそうです。
施設の子たちはマシュマロテストをやったら多分すぐに食べちゃうだろうな・・・
だって、早くしないと他の子に取られてしまうと思うから。
そこで行ったのが子どもたちを2つのグループに分けた新たな実験です。
【グループ1】信用できる大人にテストされる
(実験の舞台装置として、事前にその大人から約束を守ってもらう経験を積んでおく)
【グループ2】信用できない大人にテストされる
(こちらは大人にことごとく約束を破られる経験を積んでおく)
果たして結果は? ―予想の通り。
グループ1の一定の子どもたちは15分待つことができたが、グループ2の子どもたちはほとんどが大人がいなくなった瞬間にマシュマロを食べてしまった。
この結果によって、グループ1の子どもの自制心が高く、グループ2の子どもの自制心が低いことが判明、・・・なわけないですよね?
この結果によって、「自制心はもともとその子に備わっているある程度固定的なもの」という前提が間違っていたのではないか?と考えられ、子どもの性格や能力は、備わっている資質以上に文脈に依存することが分かった、という訳です。
ある条件下では自制心を発揮できるけど、ある条件下では発揮されない。
そもそも性格や能力というのはそういうものなのではないか?という考え方です。
マシュマロテストはコロンビア大学の心理学者ウォルター・ミシェルが考えた実験で、皮肉なことに彼は元々「能力や性格は文脈依存的」ということを証明したかったらしいのです。
にもかかわらず実験結果が独り歩きをして、勝手な解釈をされてしまったと・・・
考えてみたら私自身、けっこう内向的な性格で初めての場に出かけて家に帰ったときは、娘に「パパ、お友だちはできた?」と心配されてしまう始末でしたが、そんな私だっていつでもどこでも内向的なわけではないですからね。笑
人の性格や能力は固定的なものではなく、文脈依存的である。
この知見を利用すると、「この人は△△だなぁ…」と思って何かを変えたいとき、新たなアプローチができるようになります。
「△△の特性はどうやったら変わるか?」を考えてもそう簡単には変わりませんが、「どんな文脈が原因でその人が△△になっているのか?」を考えてみる。
そうすることで、新たな解決策が見出せるかもしれません。
(文:大原)
※ファクトチェックはしていませんが、きっと間違ってないと思います。悪しからずご了承ください。