今日はコーチングから得た学びについてお話したいと思います。
早いもので、かれこれ10年ちょっとプロコーチとしての活動を続けています。
かなり地味めではありますが、“継続は力なり”とはよく言ったもので、さすがに10年も続けていると、自分自身の変化を感じます。
そのうちの一つが、ひとりでがんばらなくなったこと。
これはコーチングだけでなく、ファシリテーションや日常生活でもかなーり役に立っています。
「ひとりでがんばらない」とは?
例えばコーチング・セッションがなかなかうまくいかなかったとします。
最初の頃は「何とかしなくちゃ」と思ってあくせくしていましたが、そうするとますますうまくいかなくなるんですよね。終わった後で「まだまだだなぁ」と落ち込んだりして。
でもこれ、コーチングスキル以外のことが原因になっていることが意外と多いんです。(失敗を重ねた今だから分かる)
その原因のひとつが、“クライアントがコーチングを受ける作法を知らない”ということ。
例えばコーチの質問に対して、クライアントがうまく答えられなかったとします。
するとクライアントは心の中で、「答えられない自分はダメだ」と思ってしまうかもしれません。無理もありませんよね。これまでずっと「質問に答えられるのが良いこと」という世界で生きて来たのですから。
でも「自分はダメだ」と思ってコーチングを受けても、望む効果は得られません。
実際にコーチング・セッションでは、すぐに答えを出す必要はないですし、いい答えを言う必要もありません。簡単に答えが出せない問いだからこそ、コーチと力を合わせて探究する意味があるわけですから。
時間をかけて味わったり、寄り道をして少しずつ解きほぐしていったり。
また、コーチひとりが主導権を握るのではなく、お互いが100%を出し合うというスタンスも大事な作法といえるでしょう。
こういったことが共通認識になっていると、ひとりでがんばらなくてもよくなりますし、成果も大きく変わって来ます。
・・・と、ここまではコーチングの文脈でお話を進めて来ましたが、このことはありとあらゆる関係性に対して有効です。
子育て、生徒指導、会議ファシリ・・・
いずれにおいても、その場の作法を共通認識にしておくと、ひとりでがんばらなくてもよくなります。
ひとりでがんばっていると、その分相手の依存心が強くなって、ますますがんばらないといけなくなる悪循環が生まれます。
だから「どんどん私に依存して~」と思っている人以外は、ひとりでがんばろうとしないのが得策です。
とはいえ、どうしてもひとりでがんばっちゃう方も多いと思います。
そんなあなた、超シンプルな方法があります!
どうしよう、何とかしなくちゃ…(汗)と思ったときに、こう言うだけ。
困ったよ~、どうしたらいい? 助けてほしいな~!
素直にHelpを求めれば、たいがい助けてくれる人が出て来ます。
たったこれだけのことですが、「ひとりでがんばらない」っていうのは意外と高等技術なのかもしれません。「助けて」っていう言葉、なかなか言えないときがありますもんね。
”ひとりでがんばらない”というのは、今世界が求めているリーダーシップの姿でもあると思います。
私の周りにいるみなさん、いつも助けてくれてありがとう!! (文:大原)