最近の私の中のトレンドワード、それが“クラフティング”です。
今、社会人向けの新しいワークショップの制作をいくつか手がけているのですが、その過程で出くわしたのが“クラフティング”というワード。
今日は、人生におけるクラフティングについて書いてみようと思います。
みなさんはジョブ・クラフティング(以下JC)という言葉を聞いたことがありますか?
これは、Wrzesniewski and Dutton(2001)によって提唱された概念で、簡単に説明すると(というか私も勉強し始めたばかりなので詳しく語ることはできませんが…笑)
「仕事を主体的に捉え直して働き方に工夫を加え、やりがいや満足度を高めていくこと」だそうです。
JCの研究者であり、東京都立大学大学院教授の高尾 義明先生は、とってもお洒落に「仕事の中に自分をひとさじ加えること」と表現しています。
与えられたことを言われた通りにやるのではなく、仕事に自分らしい意味づけをしたり工夫を加えたりして、やりがいを見出すこと。そんな考え方です。
よく「今の仕事は自分には合わない」とか、「この職場環境では自分の能力が発揮できない」という人がいますが、そりゃそうですよね。だって、その仕事はあなたのためにつくられたわけではないですし、その職場はあなたのために用意されたものでもないわけですから。
(久しぶりにブラック大原が顔を出しました)笑
だから、取り組む中で「自分とは合わないな~」と思うことがあったとしても、それは当たり前のことなのかもしれません。自分にピッタリな天職を探そうとジプシーのような旅をしても、きっと見つからないんだろうなぁと思います。
ならば、今ココにある目の前の仕事を主体的に捉え直し、自らフィット感を高めるチャレンジをしてみるのも悪くないと思います。
もちろん、パワハラが横行しているとか、明らかにブラックな企業だとか、そういう職場の場合は別ですけど。
具体的には、次の3つのクラフティング方法があるそうです。
1.業務クラフティング:タスクの内容や方法を変えていく
2.関係性クラフティング:人との関係性の質と量を変えていく
3.認知的クラフティング:ものの見方や心構えを変えていく
どのクラフティングも、周りの理解を得ることとやり過ぎないことがポイントだと、先述の高尾教授は仰っています。
そもそもクラフトは工芸という意味なので、プラモデルのようにきちっと設計図通りに作ろうとはせずに、まずは粘土をこねてみて柔軟に、そして動的に、作品のイメージを変えて行く。そんな進め方が良さそうです。
今は本当に先が見えない時代です。
人生全般においても、ある程度の計画(プランニング)は大事ですが、それよりも捉え直しや修正(クラフティング)をしながら生きる心構えの方が身を救うのではないかな?と、JCを学びながら思いました。
「ライフ・クラフティング・ワークショップ」
・・・今つくっているワークショップ、このコンセプト悪くないかも。笑
(文:大原)