今、久しぶりに「フロー教育」の本を読んでます。
なかなか面白いので、今日は「フロー教育」について少しお話してみようと思います。
まず、フロー教育とは何か?
「フロー教育」というのは、子どもの好きになる力、夢中になる力、のめり込む力を引き出す対象を見つけ、それに没頭させることによって「フロー」を体験させる、という方法論です。
※引用:『創造力ゆたかな子を育てる』/天外伺朗(内外出版社)
フローというのは心理学者のミハイ・チクセントミハイが提唱した概念で、時間の感覚や周囲のことを忘れるほど集中し、自身の限界を超えた最高のパフォーマンスを発揮できる状態のことです。
スポーツでは“ゾーン”と呼ばれたりもします。
子どもがフローを体験することで、やり抜く力、創造性、自らの意思を持つなどの“生きる力”を育もうというのがフロー教育の考え方です。
こう言うとフロー教育はいいことづくめですが、実際にフロー教育をやっているというお話はあまり聞きませんよね?
かく言う私も我が子にフロー教育を実践したかというと、そんなことはありません。(とはいえ、とてもたくさんの子育てのヒントをもらいました)
フロー教育を実践するのは、今の日本の環境では相当な覚悟が必要です。
フロー教育とは、子ども自身の興味関心を尊重し、それに没頭することを推奨する、ということです。
例えばコップを倒してこぼれた牛乳で遊び始めたら、「何しているの!」と叱るのではなく、「楽しそうね」と温かく見守る度量が必要です。家の壁は落書きスペースとして開放しなくてはならないかもしれません。
子どもはきっとのびのび育ちますが、今の日本ではかなり非常識だと思われそうです。
また、学校に上がったら先生の指示に従わなくてはならない生活が待っています。
時間割通りに行動し、興味の持てない話も黙って聞かなくてはいけません。(先生を悪く言うつもりは全然ありません。今の教育システムのお話です)
フロー教育で育てられた子は問題児扱いされていじめに遭うケースもあると聞きます。
このように、今の日本の公教育とフロー教育の哲学は根本的に相容れないことから、子どもが辛い目に遭う可能性も否定できないのです。
でも世界に目を向けると、フロー教育に通ずる理念で大きな成果を上げている例はたくさんあります。イエナプラン教育やサドベリースクールなどが代表的な例です。
シュタイナー教育学校にお子さんを通わせた方から聞いた話ですが、卒業生はみなとても優秀だけど、将来公務員になる子はほとんどいないそうです。(なるほど…。けどそういう方にこそ、日本の社会づくりに直接関わってほしいなぁ)
日本でこういった学校が認められにくいのは残念ですが、少しずつ広がりを見せているのは喜ばしいことです。
全部がそうなればいいとは言いませんが、選択肢が増えてほしいなぁと思います。
これまで、そんなことを考えながら私なりの“のびのびとした子育て”を探求してきました。未だに正解は見つかりませんけど、唯一つ分かったことがあります。
それは、どっちにしても子育ては一筋縄ではいかないということ。笑
みなさんは、今日のテーマでどんなことを考えましたか?
(文:大原)
※参考:「ティール時代」の子育ての秘密 /天外 伺朗(内外出版社)